施設ごとの節水対策がわかる|アクアリブート
施設ごとの節水対策がわかる|アクアリブート » 節水装置(節水器)にはどんな種類がある?メンテの必要性まで徹底解説! » 節湯水栓とは?仕組みと効果を解説

節湯水栓とは?仕組みと効果を解説

目次

節湯水栓は、水とお湯の消費を抑える省エネ型の水栓です。給湯エネルギーを節約できることから、水道代だけでなくガス代や電気代の削減にもつながり、企業や施設でも導入が進んでいます。

本記事では、節湯水栓の3つの基本機構(A1〜C1)とそれぞれの特徴、節水・省エネ効果の目安、設置に必要な条件やトラブル事例をまとめています。

節湯水栓とは?

節湯水栓とは、水だけでなく「お湯」の消費量も減らせるように作られた水栓です。単に水の使用量を減らすだけでなく、給湯にかかるガス代や電気代も同時に削減できるため、水道光熱費全体の効率的な節約手段といえます。家庭でも施設でも、まず検討したい省エネ設備のひとつです。

製品によって仕組みは異なりますが、節湯水栓には大きく分けて3つのタイプがあります。

手元止水機構(節湯A1)

蛇口やシャワーの先端にボタンやセンサーがついており、手元で水を出したり止めたりできる機構です。食器洗いやシャワー中に「必要なときだけ水を使う」ことができるため、出しっぱなしを防げます。

小流量吐水機構(節湯B1)

水の勢いはそのままに、水の量を少しだけ減らす工夫がされている機構です。メーカーによって異なりますが、水に空気を混ぜたり、穴の数を変えたりして節水効果を保ちつつも水圧を下げすぎず、使い心地は変わらないよう設計されています。

水優先吐水機構(節湯C1)

レバーハンドルが正面の位置にある場合は、水だけが出るように設計された水栓です。レバーを左右に動かすことで、初めて湯が混ざるようになっています。給湯器の作動回数を減らせるため、ガスや電気の消費を抑えられます。

節湯水栓は
どのくらい節水・省エネできる?

手元止水機構(A1)を備えたシャワー用水栓では、1年間でおよそ20%もお湯の使用量削減が可能です(※1)。また、小流量吐水機構(B1)を搭載した水栓でも、用途によって15%程度の削減効果が見込めます(※1)。

異なる節湯機構を組み合わせた場合、浴室では最大32%、台所でも最大24%の削減ができたという試算もあります(※1)。

「今すぐ全部の水栓を変えるのは大変…」と思われるかもしれませんが、まずはよく使う場所だけでも試してみることで、毎月のランニングコストを少しずつ削減できるでしょう。

(※1)参照元:日本バルブ協会【PDF】(https://j-valve.or.jp/pdf/suisen/e_setsuyu-a1b1c1_201705.pdf)

節湯水栓は
どのように使われている?

たとえば洗面所で手を軽くすすぐときや、キッチンでコップをゆすぐときなど、実際には水だけで十分な場面ではお湯が出ず、水のままで使用できます。「ちょっとした動作で無意識にお湯を使ってしまう」ことを防ぎ、水道代だけでなく、光熱費の節約につながるのがポイントです。

さらに効率的に水を節約したい方は、以下の方法もチェックしてみてください。

節水シャワーヘッドの
導入メリットを見る

節水トイレの
導入メリットを見る

節水用蛇口の
導入メリットを見る

節湯水栓の取り付け方法

節湯水栓は、設置する場所やもともとの蛇口の種類によって、取り付け方法が変わります。自分で交換できるタイプもありますが、作業に慣れていない方水圧の調整が必要な場合は、専門の業者にお願いしましょう

節湯水栓は「お湯の節約」にも関わるため、給湯器との相性を抑える必要があります。設置前には次のようなポイントを確認しておくと安心です。

浴室や洗面所など、日常的に使う場所に取り付ける場合は、使用感を損なわないよう、水の勢いや温度がどう変わるかも事前にチェックしてください。不安な場合は、取り扱いメーカーや水回りの専門業者に一度相談することをおすすめします。

節湯水栓のよくあるトラブル

お湯の出が遅い・温度が安定しない

「なかなかお湯が出てこない」「急にぬるくなった」というトラブルの原因としてよくあるのが、水圧や給湯設備との相性です。

たとえば、家の中で複数の蛇口を同時に使っていると、水圧が変わり、給湯器の反応が不安定になることがあります。

また、「エコキュート」などのタイプはもともと水圧が弱めなので、節湯水栓と組み合わせたときに湯量が足りず、お湯が安定しにくくなることも珍しくありません。他にも、給湯器の設定が間違っている、フィルターが詰まっているなどの原因も考えられます。

もし気になる症状がある場合は、水圧の確認、給湯器の設定の見直し、または業者にフィルターの清掃を依頼するなどの対策が有効です。

ハンドルの動きが
重い・操作に慣れない

節湯水栓は一般的な水栓と少し使い方が違う場合があるため、操作に慣れていないと誤作動やトラブルのように感じられるケースがあります。

たとえば、「水優先吐水機構(C1)」はレバーを正面にして開けても水しか出ません。お湯を使いたい場合はレバーを横に倒す必要があり、仕組みを知らないとお湯が出なくなったように見えます。

また、サーモスタット付きの水栓では、内部部品の劣化や水垢の蓄積によって、ハンドルが重くなったり動かしづらくなったりすることがあります。ハンドルの動きが重い場合は、グリスの補充や部品交換によって操作感を改善可能です。

トラブルを未然に防ぐ
アースアンドウォーターの
節水機器

節水や節湯の取り組みでは、「つけたあとにどうなるか?」という不安の声も少なくありません。せっかく装置を導入しても、うまく使い続けられなかったり、数年後に効果が落ちてしまったりするケースは多く見られます。

アースアンドウォーターでは、そうした導入後の不安に応えるために「メンテナンスまで含めて支える仕組み」を整えています。

たとえば、装置をレンタルで導入している施設には、装置を一度回収して中を分解・洗浄・滅菌し、清掃済みの装置と交換する「リバースメンテナンス」を無料で提供。他にも、修繕や水量調整などの相談に応じるサポートプランをいくつか用意しており、法人施設の規模や予算に合わせた対応が可能です。

初めて節水・節湯水栓の導入を検討している施設や、過去の節水対策でうまくいかなかったご不安がある場合は、ぜひ一度アースアンドウォーターへご相談ください。